蓋と胴全体に描かれた生き生きとした野鳥の姿。春の訪れを感じさせる桜と、枝にとまる可憐なメジロ、そしてやさしいタッチで表現された草花。それぞれが丁寧に描かれ、自然への愛情と詩情あふれる世界が見事に表現されています。
縁には金彩がふんだんに施され、幾何学模様が彩りを添えています。金の輝きと黒のコントラストが上品で、和とモダンの美を共存させているのが特徴。蓋の上にも大きな葉や鳥の姿が立体的にあしらわれ、見るたびに新しい発見がある、そんな奥深い魅力にあふれています。
高橋誠氏は、伝統工芸に現代的なセンスを融合させることで知られる陶芸家。この蓋物も、伝統的な色絵の美しさと、柔らかな筆致、そして品格ある金彩細工が高い次元で調和しています。飾るだけでも空間が華やぎ、お茶の席やリビングでも主役の存在感を放ちます。
骨董好きからすると、この「色絵金彩野鳥図」蓋物は、使うもよし、観賞するもよし――日常に豊かさと和やかな彩りを添えてくれる逸品です。ぜひ一度手に取って、絵付けの繊細さや金彩のきらめき、作家のこだわりをじっくりご堪能ください。ご質問などあれば、遠慮なくお声がけくださいませ!