これは見事ですね!中国清代の「交趾花鳥陽刻文花瓶」、高さ31センチの堂々たる一品です。
まず惹かれるのは、鮮やかな黄釉の地に、花鳥の意匠がくっきりと浮かび上がる存在感です。交趾のやわらかな色調は、南方らしい明るさと異国情緒を感じさせ、そこに陽刻の立体感が加わることで、絵付けというより“器そのものが彫刻”のような趣を帯びています。
胴から肩にかけて伸びる姿も実に端正で、上に向かってすっと広がる口造りが、花を生けたときの映えをしっかり意識した設計になっています。黒紫の花枝と、青緑の葉、そして飛ぶ鳥の組み合わせが、黄色い地の上で鮮やかな対比を生み、静かな中にも華やぎがあります。
交趾焼は、中国南方系の色釉陶磁の流れを感じさせる焼物で、日本でも古くから珍重されてきました。この作品は、そのなかでも花鳥の吉祥性を前面に出した、たいへん目を引く作風です。花は繁栄、鳥は吉報を連想させ、飾る場所に明るい気を運んでくれそうです。
さらに高さ31センチというサイズは、床の間や飾り棚に置いたときにちょうどよい存在感を持ちます。単独でも十分に絵になりますし、枝ものを一輪挿すだけでも、ぐっと品格が引き立つでしょう。
骨董店店主の目から見ても、この花瓶は「色の力」と「造形の力」がうまく噛み合った逸品です。派手さの中に品があり、古さの中に伸びやかな生命感がある。じっくり眺めるほど、良さがにじんでくる作品です。
