なんとも晴れやかな赤絵の色合いですね。たっぷりと盛られた鉄赤に、金彩や染付を交えた絵付けは、まさに江戸後期・古伊万里の真骨頂。器肌いっぱいに文様が展開していて、食卓に並べた瞬間、その場の空気をふわっと華やかにしてくれます。
形は口縁がゆるやかに立ち上がった小ぶりの向付け。煮物・和え物・酢の物など、少しよそ行きのお料理を盛るのにぴったりのサイズ感です。高台まわりには染付の連続文、胴には丸紋の中に唐草や吉祥文様が配され、どの角度から見ても絵が途切れない“ぐるりと一周楽しめる”構成になっています。
七客揃いというのも、大きなポイントです。江戸の器は、経年で欠けたり割れたりして、どうしてもばら売りになりがち。ここまで状態よく、同じシリーズで七客きちんと揃っているものは、なかなか出会えません。家族や客人をもてなす“晴れの日の器”として、大切に使われてきたのでしょう。
お料理を盛り付ければ、赤絵の華やかさが食材の色を引き立て、空のまま飾っておいても充分に絵になる存在感。現代の食卓でも、和洋中どんなメニューにも意外なほどよく馴染みます。
骨董好きの店長として言わせてもらうと、この古伊万里赤絵向付け七客は、「実用」と「鑑賞」の両方を楽しめる優等生。棚に並べても、膳に乗せても画になる、江戸の粋を伝える器です。ぜひ一度、実際に料理を盛って、その華やぎと使い心地を味わってみてください。
